ミナミヌマエビの繁殖させるために
ミナミヌマエビを繁殖させるには、野生で生活している環境を再現するのが一番よいと言われおり、水槽内にその環境を再現するのが理想です。
自然に生息するミナミヌマエビは、流れの緩やかな川や池などの水草が茂ってるような場所に生息していると言われています。そして寿命は約1年(飼育なら1年~2年)くらいと言われ、なんでも食べる雑食性でおとなしい性格なので、水草や生体への食害がないのでメダカとの混浴も心配ありません。
そして、ミナミヌマエビは基本的には暗い青色系や緑系ですが、生息地や環境によって黒色や赤色だったりといろんな色になります。
このようなミナミヌマエビですが、春から夏にかけて繁殖して冬を越し、また次の春から夏にかけて交配・産卵し稚エビを産んで一生を終わっていくライフサイクルで一生を過ごします。
このような流れは、自然でのライフサイクルなのでヒーターなどを使って温めたり餌を与える環境では違ってくるので気を付けてください。
そして、ミナミヌマエビは短命なので元気のない生体を購入した場合、早く死んでしますこともあります。また、水槽内だけで交配を続けると弱くなる場合があるので、定期的に別の環境のミナミヌマエビと交配させる必要があります。
基本的な飼育環境や飼い方の詳しい内容は、こちらの記事で紹介しています。
水槽から立ち上がる人は参考にしてください。
ミナミヌマエビを産卵(抱卵)させるには
ミナミヌマエビが産卵するには、オスとメスがいることが前提ですが、割合はオス2匹に対してメスが5匹は必要です。
ミナミヌマエビを買うときは、オスとメスを選ぶことができないので、まとめて10匹買うとオスとメスが混じっているはずなので、最初に少し多めに買うのがおすすめです。
そして、餌をちゃんと与え、ウィローモスやアナカリスなどの水草を入れておき、水温を24度くらいで飼育していれば自然に抱卵します。
抱卵してない個体は購入してきても環境に慣れるまで抱卵しないので、しばらく待つ必要があります。
抱卵した卵は、最初黒ぽい色をしていますが、時間経過すると茶色から緑色に変化していき最後は透明になっていきます。
ミナミヌマエビを抱卵させる基本的な条件
- ミナミヌマエビのオス2匹に対してメス3匹が理想
- 最初は、まとめて10匹くらい買うとメスが混ざってておすすめ
- 餌は2日に1回与える
- ウィローモスやアナカリスなどの水草を入れておく(抱卵したミナミヌマエビの隠れ家になる)
- 水温をヒーターなどで24度くらいに保つ
- 水槽の水は1週間に30%くらい換水する
ミナミヌマエビを抱卵させる裏技
2ヶ月以上「ミナミヌマエビを抱卵させる基本的な条件」を守っても抱卵しないときは、ミナミヌマエビが水質に慣れてないか、水質が合ってない可能性があります。
そこで、ミナミヌマエビが抱卵しやすい水質にするために「ブラックウォーター」を添加します。ブラックウォーターにはフルボ酸というものが含まれていて、フルボ酸がミナミヌマエビの抱卵をさせやすくするのです。
いろんなブラックウォーターを試してみましたが一番効果があったのは「テトラ ブラックウォーター」でした。水草の成長にもブラックウォーターは良いので、常備しておくと良いでしょう。
添加の量は、30cm水槽だと2週間に5ml添加するくらいで大丈夫です。入れてすぐは水が茶色くなりますが、数日で透明になるので心配ありません。
ミナミヌマエビは、いつ抱卵する時期(季節)と条件
ミナミヌマエビが繁殖する時期は自然な環境では春から夏にかけてですが、飼育している環境では水温が安定してると年中いつでも抱卵するのが確認できます。
水温は24度くらいが適温で、暑すぎると耐えることができずに死んでしまったり、低すぎると元気がなくなって動きが鈍くなり抱卵しなくなります。
また、アナカリスなどの水草が多い水槽だとミナミヌマエビが好む環境に近づくので、抱卵したミナミヌマエビの隠れ家になり安全に産むことできます。
ミナミヌマエビの抱卵の期間
抱卵したミナミヌマエビは約4週間くらいで稚エビを産むと言われています。
しかし、抱卵しても卵を落とすことがあり、有精卵でなかったか、急激な水質の変化で脱皮をすることがあるので、換水する量やタイミングに気をつけてください。
また、水温が低い環境だと水温が高い環境に比べて稚エビが産まれるまで時間がかかります。
ミナミヌマエビの稚エビ
産まれた稚エビは、プランクトンや水槽や水草に生えたコケや混泳しているメダカなどの食べ残しや生物の死骸など、なんでも食べて成長していきます。
ただし、本気で増やしたい場合は魚類がいる環境で稚エビを産ませないでください。メダカや金魚などは稚エビを食べてしまうことがあるからです。
また、水草が多い環境だと稚エビの隠れ家になるので、おすすめです。ただし、水草は無農薬のものしか入れることができないので注意してください。
ミナミヌマエビの繁殖を狙った環境
確実にミナミヌマエビを繁殖させるには環境を作る必要があります。
- ミナミヌマエビとメダカなどの魚類と混泳させない
(稚エビを食べられないようにするため) - 水草を多く入れて茂みを作る(無農薬の水草)
(稚エビの隠れ家になり生き残る環境を作る) - ミナミヌマエビを10匹以上入れておく
(オスとメスが確実に混じってる為に多く入れておく) - 水温を一定に保つ
(ヒーターで水温を24度くらいに設定) - 立ち上げたばかりの水槽では、多めに餌を与える
(コケがない環境だと餌がすくないので、餌を与える)
ミナミヌマエビの繁殖に必要な道具
屋内でも繁殖をベースに紹介します。
- できるだけ大きい水槽などの容器
(小さい容器だと急激な水質になるため) - 低床はソイルや大磯など
(バクテリアなどで水質を安定させるため) - 水草を多く入れる
(水質を安定させて稚エビの隠れ家にするため) - エアーポンプ
(酸素を提供させて水を循環させる) - 照明
(コケの発生と稚エビの成長)
ミナミヌマエビが抱卵しない原因と理由
ミナミヌマエビが抱卵・繁殖できないときの理由を紹介します。
- 水温が低い(20度以下だと抱卵しにくい)
- 餌が十分に足りていない
- オスもしくはメスがいない
- 飼育用に対して数が少ない
- 個体が老体
- 急激な水質の変化で脱皮(換水の量が多い、換水のタイミングが悪い)
- 稚エビの隠れ家になる水草が少ない
- ろ過フィルターに吸い込まれている
- 魚類に食べられている
- 水の流れが強い
などが考えられます。該当するところがあれば改善してみてください。
まとめ
今回紹介した飼育・繁殖方法が絶対ではありませんが、今まで飼育した経験からできるだけ万全に紹介しました。ミナミヌマエビの繁殖は環境が安定すれば自然に抱卵して繁殖くらい簡単ですが、少しでも条件が揃わないと繁殖しなくなるので、この記事を読み直して挑戦してみてください。
レッドビーシュリンプなどの飼育に挑戦した方は、ミナミヌマエビからチャレンジしてみてください。