ナレーションや歌など宅録したけど残念な音になった経験がある方や、どうやって録れば良いのか分からない人へ、宅録で失敗しない録音方法のポイントを紹介します。
宅録で録音を失敗しないためにも、必要なポイントをおさえて失敗しない録音をしましょう。
録音に最適な部屋や場所
録音する場所(環境)は音質に大きな影響を与えます。
反響する部屋で録音すると声が明瞭に収録できず、声が分散して遠くに聞こえてしまいます。また、反響音を除去するのに手間がかかり最悪撮り直しになることがあるので注意が必要です。
できるだけ反射音を抑えて録音するのが良いですが、全く反射しない音も不自然で違和感があるので、適度な反射音がある部屋で録音するのがベストです。
では、どんな部屋が良いのでしょうか?
できれば、部屋はあまり広くなくて、ある程度、物が置いてあり、柔らかいものがたくさんある部屋があるとベストです。
- 広くて反響しやすい部屋は反響音やノイズの除去ができなくて撮り直しなることがあります。
- ある程度、物が置いてる部屋だと音が乱反射して反響音を抑えられます。
- クッションやソファー、ラグなど柔らかいものがあれば音を適度に吸収してくれます。
- 部屋の中心で大きく手を叩いて音が反響しない部屋がいいでしょう。
具体的にいうと、大きめのクローゼットや寝室、少し荷物が多い部屋などが録音には向いている部屋です。
小さめのクローゼットをそのまま使うのは、おすすめできません。極端に短い反響音を拾う可能性が高いからです。
もし、小さめのクローゼットで録音するなら、クローゼット内の壁や天井に毛布や厚手のカーテンなどを貼り、床には100均のジョイントマットなどで反響対策をすると良いでしょう。
また、寝室はベットやカーテンが音響音を吸音してくれて、宅録では録音には向いてる部屋です。
マイクの距離で音質を決める
基本的な、録音の音質は口とマイクの距離で決めます。
マイクと口の距離
近接効果といって一般的に声はマイクに近づくと低音が強くなり、逆に離れていくと低音が減って遠くにいるように聞こえます。ですから、マイクと口の距離で音質を作ることができます。
マイクはマイクスタンドに取り付けて、何度かテストを繰り返して音が割れず、明瞭に聞こえる距離を探してみてください。
声の大きさ(声量)や体調で声は変わるので、距離はいつも変わると思ってください。ですから、収録するときは、何度かテストしてチェックしましょう。
ダイナミックマイクは、マイクから10cmくらいの距離から始めてから距離を探してみてください。
コンデンサーマイクは、マイクから20cmくらいの距離から始めてみると良いでしょう。
マイクの角度
マイクに声をあてる角度でも音質は変わります。
口の真正面にマイクを設置すると、しっかりとした強い音になり、真正面から外れると少し音が軽くなります。
そして、特にパ行やサ行がキツイときマイクを真正面から外すと良いことがあります。少しずつ角度を変えてベストな音を見つけましょう。
顔の角度
顔の角度変えると、喉の開きが変化するので声が変わります。
下を向くと喉が閉まって低音が強くなり、逆に上を向くと喉が開いて高域が強くなります。まっすぐ前を向いてバランスの良い声を出しましょう。
録音時の音量(GAIN)を上げすぎない
大きな音で録音したいという気持ちから、録音の音量(GAIN)を大きくするのは録音を失敗する可能性があります。
音量は録音後に編集で大きくできますし、声以外の音(楽器やBGM)などもミックスする予定があれば音圧が増えるので録音のときから音量を大きくする必要はありません。
そして、録音の音量が大きいとノイズや環境音を拾いやすくなり、ノイズの除去が大変になります。
また、音が大き過ぎて音が割れて編集できないこともあるので、GAINは上げすぎないように注意しましょう。
DAWで録音して、音が入ってくると右側の0から60の範囲でメーターが動いて録音の音量(GAIN)を知ることができます。
0に近いほど大きな音で、60に近いほど小さな音です。もし、録音で0を超えて録音したら音が歪み割れた音になるので、0を超えないように余裕がある音量で録音しましょう。
では、どれくらいの音量で録音すれば良いのでしょうか?
基本的には、普通の声量で最大15くらいまで振れるくらいで、調整してください。これくらい余裕があれば、急に大きな声を出しても0を超えることは、よほどの事がない限りありません。
しかし、環境音やリップノイズが気になるときはGAINを下げてたり、マイクの距離を少し遠くしてみましょう。
あまりにも声量が少ないとノイズの原因になるので、声量はある程度大きく出せる練習をしておきまhそう。
録音レベルが、20〜30くらいで録音しても、収録後に音量を大きくしたらリップノイズが少なく、部屋の反響音も少なくて良い場合もあります。
レベルメーターの15は調整を始める目安なので、一番は大事なのは良い音が収録できる音量で録ることです。
ヘッドホンの音量を大きめにして、GAINは下げつつ、テストを繰り返して良い音が録れる音量を見つけましょう。
ノイズが気になったら録り直しをする
紙をめくる音だったり、マイクスタンドに当たったりなどノイズが声にかぶったら、録り直しをしましょう。
ノイズ除去ソフトで除去できるから大丈夫と過信するのではなく、すぐに録り直しができるなら、録り直した方がノイズを除去する作業時間より早く終わります。
ノイズ除去の編集が苦手な方や慣れてない方が編集すると音質に影響を与えることがあるので、録り直す方が結果的に良い事が多いです。
滑舌やイントネーション、歌であれば音程などできるだけいい状態で録音して、録音後に編集でカバーしようと思わないでください。
ベストなテイクを収録できると実力がアップしますし、編集も早く終わり良いことばかりなので、録り直しはできるものは、できるだけ録り直しするのが良いでしょう。
まとめ
初心者が失敗しない録音する注意点は
- 録音に最適な部屋を見つける(もしくは作る)
- 音質はマイクの距離を調整して作る(EQは使わないつもりで)
- 録るときから音量を上げすぎない(ベストな音質で録音しよう)
- ノイズは録り直しできるものは録り直す(ノイズ除去ソフトを使うより早く終ることが多い)
まずは、このあたりのポイントをおさえて録音してみましょう。慣れてきたら、いろんなナレーションやアフレコ、音楽など聴いて勉強してさらにレベルアップしていきましょう。