ナレーションを、録音するのにソフトはどれがいいのでしょうか。録音ソフトは、無料や有料のものがあり、種類もたくさんあります。
録音ソフトを選びは、音質や録音後の編集などの作業時間に関わってくるので、録音ソフトを選ぶことは重要です。失敗しないように録音ソフトを選びましょう。
録音ソフトの種類
パソコンに合わせた録音ソフト
録音ソフトは、Windowsだけでしか動作しないソフトや、Macだけでしか動作しないソフト、WindowsとMacのどちらでも動作するソフトがあります。
録音に使うパソコンによって使えるソフトが違ってくるので、パソコンのOSを調べてソフトを選びましょう。
オーディオエディタとDAW
録音ソフトは、大きく分けるとオーディオエディタとDAWの2種類があります。
オーディオエディタとは
オーディオエディタとは、ナレーションなど音声を録音するだけでシンプルで分かりやすい録音ソフトです。シンプルな録音ソフトなので、録音後の編集は別のソフトを使うことになります。
DAWとは
DAW(Digital Audio Workstation)は、録音トラックが複数作れて、録音、編集、ミキシング、編曲など一連の作業ができるソフトです。ナレーションをいつくか録音して、ベストなテイクを後で選んで編集したり、ナレーションを以外のBGMを重ねたりしてボイスサンプルなどを作ることできる録音ソフトです。
そしてDAWは、宅録で一番の問題であるノイズを除去するソフトを組み込んで使うことができます。
お仕事でナレーションを録音するならDAWを使うと、録音後の整音などの編集作業ができるのでおすすめです。
主なノイズの種類
- リップノイズ
- ポップノイズ
- ブレス(息継ぎ)
- ホワイトノイズ(サー…という雑音)
- ペーパーノイズ
- 環境音(生活音)
録音ソフト
Audacity
Audacityは無料で使える録音ソフトです。WindowsとMacのどちらでも使うことができますが、単純に録音するソフトなので、一部分だけ録音をやり直したりパンチイン録音ができません。一部分をやり直すには新しくトラックを作って、新たに録音して編集で差し替えるしかありません。
それと、Windows版はASIOドライバーというものに対応してないので、音質的に問題があります。
初心者向けの録音ソフトとして紹介されていますが、音質が悪いので仕事として使うにはおすすめしません。
Cakewalk by BandLab
Cakewalk by BandLab(ケークウォーク バイ バンドラボ)は、Windows(64bit版)専用のフリーソフトです。
かつて、SONARという名称で販売されていましたが、2018年にSONARの上位グレードと同じ機能を名称が変更されて無料で利用できるようになりました。付属している音源やプラグインは、そこまで多くありませんが、サードパーティのノイズなど除去するプラグインなどを組み込んで使うことができます。
また、一部分だけ録音をやり直すパンチイン録音などDAWで使える機能は一通りできるので、Audacityよりも実践的な録音をすることができます。
Adobe Audition
Adobe Audition は、サブスク(単体利用で月額3000円くらい)で使えるWindowsとMacの両方で使うことができる録音できるソフトです。
もともと、Adobe社が開発している映像編集ソフトに連携して音声を編集するソフトですが、映像にナレーションを入れることも考慮してあるので、単体で音声などが録音できるよになっています。
そして、ノイズ除去の機能や音質を調整するEQ(イコライザー)など簡単なエフェクターも内蔵しているので、ある程度、Auditionだけで作業を完結させることもできます。
こちらの記事では、Adobe Auditionの録音からデータの書き出しまで解説しています。
GarageBand
GarageBand(ガレージバンド)は、Mac専用のフリーソフトです。
演奏やナレーション、歌など音声を録音することや、ループされた音源を使って楽曲を作ることができるソフトです。ナレーションや歌などの音声は簡易的に音質を調整できる機能はありますが、ノイズなどを除去する機能がありません。
ノイズを除去するにはiZotope RXなどをインストールすればGarageBandで使うことができます。
こちらの記事で、GarageBandを使って録音から書き出しまでを解説しています。
Logic Pro X
Logic Pro X(ロジックプロ テン)は、Mac用の有料ソフトです。
価格は、¥24,000円ですが、2003年に発売されてから現在まで、何度もバージョンアップしてますが、今まで無料でアップグレードできていて、コスパが良い録音ソフトです。(他のDAWはアップグレードするときは費用が発生します。)
そして、プロも使っている録音ソフトなので、音質や機能面は安心です。
録音ソフトは、ソフトによって操作方法が変わってきますし、過去に保存したデータを開くには、同じソフトを使うしかないので、録音ソフトは一度選ぶと長く使えるソフトを選ぶと良いです。
Ableton Live
オーディオインターフェイスを購入したら簡易版のLiteが付属してたりするAbleton Liveです。
AbleMOTU M2ton Live Liteが付属しているオーディオインターフェイス
WindowsとMacのどちらにも対応していて、録音してサンプラー的な使い方や、予め音源やSEをセットしておいてMIDIコントローラーやPADを使ってリアルタイムにポン出しすることができるのでネット配信をしてる方にはオススメのDAWです。
そして、SEなどのトラックを作ってMIDIコントローラーがあれば、リアルタイムでSEを入れながら録音することもできます。
日本ではあまりシェアはないようですが、海外の宅録ユーザーには人気のDAWで、特に付属のエフェクターが良いのでナレーションや歌の録音におすすめです。
Cubase
Cubase(キューベース)は、WindowsとMacの両方で使うことができる有料の録音できるソフトです。
ヤマハの子会社が開発したDAWなので、ヤマハの製品を購入すると簡易的なCubase AIが付属しています。有料で販売している Cubaseは、Cubase、Cubase Artist、Cubase Elements の3つのグレードがありますが、ナレーションを録音するのであれば、入門グレードである Cubase Elements で十分です。
Pro Tools
Pro Tools(プロ ツールス)は、サブスク(月額3500円)で、WindowsとMacの両方で使うことができる録音できるソフトです。
レコーディングスタジオで主に使われているソフトで音声の録音が得意な録音ソフトです。無料で使える「Pro Tools First」もありますが、多くの機能が省かれて、データの保存が自分のパソコンかクラウドにしか保存できないので、他の人にデータ渡すにはクラウド経由で共有するか、データを書き出して渡すことしかできません。
そして、データはプロジェクトが3つまでしか保存できません。3つ以上のプロジェクトがある場合は、どれかプロジェクトを削除しないとデータを作って保存することができません。
Adobe Audition よりサブスクの月額料金は少し高いですが、Pro Tools を使っていると公表しておくと、データをそのまま使って編集したクライアントなどは、ナレーションなどの仕事をオファーされたことがあるので、サブスクでAdobe Audition を利用するより、Pro Tools を使う方がメリットあります。
宅録ナレーションで使うソフトは、どれがいいのか?
録音ソフトは、どれがいいのか?
趣味や練習で音声を録音したり、ノイズ除去などが不要ならば無料の録音ソフトでいいと思います。しかし、仕事で使うなら有料の録音ソフトを選びましょう。
Windowsの無料の録音ソフト
- Audacity
- Cakewalk by BandLab
- Ableton Live Lite
- Studio One Prime
- Pro Tools First
Macの無料の録音ソフト
- GarageBand
- Audacity
- Cakewalk by Bandlab
- Ableton Live Lite
- Studio One Prime
- Pro Tools First
お仕事で使う録音ソフトだったら、どれがいいのか?
ナレーションのお仕事をするなら、サンプルボイスやプロフィールに使用している機材やソフトなどを紹介することがあります。
プロフィールに有料の録音ソフトや良い機材を書いておくとクライアントが、あなたを選んでくれる可能性が高くなります。
もし、あなたが実績や仕事の経験が無いナレーターで同じレベルのナレーションができる人がいた場合、良い機材や有料のソフトなど所有しているなら仕事に対する姿勢や高音質なナレーションが期待できると思えるので、クライアントはあなたを選ぶ可能性が高くなります。
主な有料のDAW
- Adobe Audition
- Logic Pro X
- Ableton Live
- Cubase
- Studio One
- Pro Tools
宅録ナレーションの録音ソフトのまとめ
宅録でナレーションを録音するソフトは、DAW(Digital Audio Workstation)を使って録音、編集、ミキシング、編曲など一連の作業ができるソフトが作業が1つのソフトで完結できるので、おすすめです。
そして、DAWの中でも「Pro Tools」はプロも使っている録音ソフトなので、録音ソフトとして最高のものになります。
Adobe Audition は、サブスクで単体だと月額3000円くらいですが、Pro Tools は、サブスクで月額3500円なので、本気で宅録ナレーションをやるなら、 Pro Tools をおすすめします。
録音ソフトが決まったら、次はオーディオインターフェイスを選ぶことになるでしょう。自宅でナレーションや歌を収録するためのオーディオインターフェイスの選び方から、おすすめのオーディオインターフェイスなど紹介しています。