宅録でナレーションや歌ってみたでコンデンサーマイクを使う方が増えてきてますが、コンデンサーマイクは音質がダイナミックマイクに比べて小さい音でも録音できるデリケートなマイクです。
デリケートなコンデンサーマイクは、使い方を間違うと壊れてしまうので正しい使い方を解説します。高価なマイクなので正しい使い方を覚えて大事に使いましょう。
コンデンサーマイクの取扱で注意すること
コンデンサーマイクはデリケートなマイクなので、ダイナミックマイクのような扱い方をすると壊れることがあります。
まずは、どんなことに注意して扱えばいいか解説します。
湿度に注意
コンデンサーマイクは湿度にめちゃくちゃ弱いので、湿度40%〜50%くらいで保管しましょう。
ダイアフラムという金属板が振動して音を電気信号に変換しているのですが、ダイアフラムが結露すると音が変わったり、水滴の影響で振動しにくくなったり音が小さくなったります。
特に冬など保管している部屋と収録する部屋が違うと、温度差でダイアフラムが結露したりするので注意してください。もし、コンデンサーマイクが結露したときは乾くと使えるようになりますが、乾燥しても結露で付着したホコリやゴミがシミになって元の音質には戻りません。
ダイアフラムが異常に汚れて音が変わったら交換や洗浄など修理になるので湿度に注意して使いましょう。
ファンタム電源とゲイン
これは宅録あるあるですが、いい音で収録できたのでオーディオインターフェイスのゲインをそのままにして次回も使うことがありますが、これは絶対にNGです。
ダイナミックマイクでは、その使い方でもマイクが壊れることはありませんが、コンデンサーマイクで、そんな使い方をしたら壊れる可能性があります。
コンデンサーマイクは、ファンタム電源といって外部から電気を送らないと使えないマイクなのですが、ゲインを0のした状態でファンタム電源のオン・オフをしないと壊れることがあるのです。
USBタイプのコンデンサーマイクは、ファンタム電源のスイッチはないのでゲインを0(最小)にした状態でUSBの抜き差しをしましょう。
コンデンサーマイクで録音を始めるまで
録音までの手順
- オーディオインターフェイスの「ゲインを0」にする
- オーディオインターフェイスのファンタム電源を「オフ」にする
- マイクケーブルで、コンデンサーマイクとオーディオインターフェイスを接続する
- ポップガードを取り付ける
- ファンタム電源を「オン」にする
- ゲインを上げて調整する
ここまで準備できたら録音開始です。
録音の調整
宅録で録音の音量を調整するのは、どうしたらいいのか分からずにDAWのメーター0まで振れるように上げてる方をときどき見かけますが、それは非常に危険です。
基本的に、メーターのレベルが0を超えると音割れの原因になるので、ゲインを上げ過ぎないようにメーターに余裕のようにしましょう。
初心者の方は目安としてDAWのメーターが普通の声量で、-15dbくらいまで振れるか振れないかくらいにしておけば、歌やセリフで急に大きな声を出してもレベルが0を超える心配がありません。
音が小さいときは録音が終わってから、プラグインを使って大きくできるので心配ありません。
もし、レベルが0を超えてないのに音割れするなら、マイクと口の距離が近いことが原因の可能性があるので少しマイクから離れてみましょう。
録音が終わって片付けるときの注意点
いきなりケーブルを抜くのはNG
録音が終わってコンデンサーマイクを、いきなり抜くとマイクが壊れる可能性があるので絶対しないでください。
録音が終わって片付けるときは、準備と逆の手順でマイクを取り外します。
コンデンサーマイクの片付け方
- オーディオインターフェイスの「ゲインを0」にする
- オーディオインターフェイスのファンタム電源を「オフ」にする
- ファンタム電源をオフにして15秒くらい待ちます(放電が終わるまで待ちます)
- ケーブルを抜いて終わりです
コンデンサーマイクの保管方法
コンデンサーマイクは湿度に弱いので注意するように冒頭で解説しましたが、最後に保管方法を解説します。
保管するときはデシケーターがおすすめ
宅録してる方でコンデンサーマイクをタッパに乾燥剤と一緒に入れて保管されている方を見かけますが、一時的なら良いですが、あまりおすすめしません。
それは、タッパの容積が小さいので周りの温度に影響されてマイクが結露する可能性があるからです。
コンデンサーマイクはデシケーターで保管するのをおすすめします。
デシケーターは、主にカメラやレンズなどをカビから守るために湿度が調整してくれる保管庫です。湿度を設定して調整してくれて、容積もある程度あるので周囲の温度が影響されにくくなります。価格も一般的なコンデンサーマイクより安いので、マイクを長く大事に使いたいなら、おすすめです。
まとめ
コンデンサーマイクは、デリケートなマイクなので取り扱いに注意が必要です。
しかし、ポイントを知れば取り扱いが難しいわけではありません。湿度とファンタム電源に注意すればマイクに衝撃を与えたりしない限り壊れることはありません。
高価で大事なマイクなので丁寧に長く使いましょう。